こんにちは、下戸の酒好きです!
日本のビールの歴史を調べると、なかなかに濃い内容だったので、
前編後編に分けました。
今回は後編になります。
前編では、日本にビールが伝わった経緯から、
明治中頃の大メーカー誕生までをまとめました。
後編は、戦争から現代までをまとめてます。
特に詳しい内容は書いていないので、
ゆるーい気持ちで読んでいただけるとありがたいです!
日本のビールについて
前編で、キリン、サッポロ、アサヒの前身となる醸造所が、
明治時代中頃に造られたことを説明しました。
やっぱりなんか足りないなぁ。
その一方で、ちまちま頑張っていた中小醸造所は、
大メーカーの造る安価で美味しいビールの影響力と、
酒税という悪の権化追加費用に苦しめられ、
廃業せざるを得なくなっていきます。
ここから日本のビール産業はどのようになっていくのか、
ゆるーくまとめてみました。
戦争による好景気
なんやかんやあって第一次世界大戦が始まります(はしょりすぎ)。
最初の大戦は大体ヨーロッパが舞台なため、
日本は戦争による特需だけを受けるようになりますが、
それはビール業界も例外ではありません。
ヨーロッパのビールが軒並み手に入らなくなったのは、
日本だけでなくアジア諸国も同様です。
そこに目をつけたメーカーが、そいやそいやと各国に進出していき、
市場を一気に拡大していきました。
更に、大メーカー以外にも新たにメーカーが参入し、
国内のビール消費量もどんどん伸びていったようです。
あのメーカーがついに参入…?
この頃の4大ビールと言えば、キリン、サッポロ、アサヒ、そしてヱビスです。
やっぱり名前の挙がらないあの会社ですが、この好景気をチャンスとみて、
ついにビール業界に参入します。
しかし!結果は惨敗!
タイミング悪く、参入した頃には好景気どころかその反動でビール業界は低迷期に入っていました。
5年ちょっとで事業は売却し、順風満帆な船出とはならなかったようです。
ちなみに、サッポロ、アサヒ、ヱビスの会社は当時合併しており、
大日本麦酒というこれまた超巨大メーカーになっています。
独禁法に引っかからないのが不思議です。
戦争による衰退
そんなこんなで第二次世界大戦が始まります(はしょりすぎ)。
ご存知の通り、この戦争で日本は主役の一つ。
ビール業界は戦争の悪影響をもろに受けることになります。
戦争が始まると、ビールの価格は政府によって指定されるように。
更には、各メーカーの製造量まで指定されるようになってしまいます。
食料が不足し始めると、各食料は配給制となりました。
ビールも配給制になり、ラベルには「麦酒」とだけ書かれ、
メーカーの存在意義はほぼ無いような状態です。
飲食店にもビールは配給されているものの、
毎年のように酒税はあがり、庶民が気軽に飲めるような状況ではありません。
日本のビール産業は、終戦まで衰退の一途を辿るのでした。
やっぱりみんなビール好き
第二次の方はやっぱり暗い話になりましたが、
戦後は驚異的なスピードでビールの需要が回復していきます。
ラベルには各メーカーのものが貼れるようになり、
上がり続けていたビールの価格がようやく落ち着くなど、
少しずつ庶民にも親しみやすい状況になりました。
日本のお酒と言えば日本酒で、
家ではオヤジがトックリ片手に飲んだくれてるイメージがありますが(いや無いか)、
飲食店で飲むものだったビールの需要はすさまじく、
価格低下もあって、家飲みでもビールが飲まれるようになっていきます。
その結果、戦後十数年で国内のアルコール消費量の半分以上がビールになったのです。
ちなみに、めちゃずるいでかいメーカー大日本麦酒は、
「お前デカすぎるから解体しなさい」と当然の命令が下され、
アサヒビールとサッポロビールに分かれることになりました。
この時、ヱビスビールはサッポロに引き継がれることになります。
ビール戦争勃発
こうして日本人の文化に染み渡っていったビールは、
アルコール飲料の多様化や、そもそもビールに興味が無い人が多くなっていき、
それまでの勢いは落ち着いていくように。
まぁビール苦いからマズいと思うのは仕方ない。
大メーカー達は負けじと新商品を出していき、
メーカー通しの戦いが始まっていくのです。
「生」ビールの戦い
お待ちかねのあの会社が、渾身の一手を繰り出します…
そう、サントリーの生ビール「純生」が1967年に誕生するのです!
生ビールはそれまでも色々あったようですが、品質的な問題が多かったそう。
しかしさすが大企業サントリー、その点をクリアして生ビールを大量生産していきます。
もちろん黙っちゃいない他3大メーカーも、次々に生ビールを開発します。
ケンカを売ってきたのはアサヒビール、
「酵母も入っててこその『生』じゃろがい!」と主張し、
酵母入りの生ビールを展開し始めました。
長い議論の末に、生ビールは「非加熱処理されたビール」と定義づけされ、
酵母の有無は関係ないと結論付けされました。どっちでもいいよね!
「ドライ」な戦い
「生」ビール論争で負けたからといって不貞腐れる大メーカーじゃありません。
アサヒビールは遂にスーパーなビールを造ります。
1987年に、それまでのビールとは異なるスッキリした味わいが特長の
「スーパードライ」が発売されました。
このビールの代名詞であるキレ、辛口、喉越しは日本人の心を掴み、
ドライビールブームが巻き起こるまでになります。
スーパードライの大成功により、
アサヒビールは4大メーカーの中でもトップの立ち位置に躍り出るのでした。
酒税との戦い
バブルが崩壊し、不況の中でなかなか買いにくくなってしまったビール。
各メーカーは何とか価格を下げれないか試行錯誤した結果、
料金の大部分を占める酒税を下げようと考えます。
そして、「発泡酒」であれば「ビール」よりも酒税が安いことに着目し、
各メーカーはビールの美味しさを保った発泡酒を開発するようになりました。
税金逃れを許さない空気読めない政府は、
発泡酒の酒税を上げてきやがります。
「じゃあもう麦芽なんてほぼ使わずにビール造ったるわ」といって、
各メーカーは更に酒税の低い「第3のビール」を開発します。
その後も酒税が上がるなどイタチごっこがずーっと続き、現在に至ります。
ちなみに、これはもう決定事項ですが、
最終的にはビールから第3のビールまで全部同じ酒税になりますよ。
まとめ
もう長すぎて途中から何書いてるか分からなくなりました。
まぁ色々調べながら書いたので、知識をつけられて楽しかったです。
ここ最近はクラフトビールブームだったり海外ビールの広がりだったり、
多種多様なビールが生まれていますよね。
これからも面白いビール史が誕生していくのを期待しています!
酒税関係はもういりません!
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